文法とは

今までは言語モデルは文法等の使い方を基本として用法基盤モデル(Usage-based Model)とされていました。しかし、それでは表現の使われ方はどう学習するのか、そしてそれをどのように適用するかを学習するかの説明ができません。

子供が言葉を覚える時に使い方である文法を学習しておりません。そして言葉を使う時も、どのような時に使うかも知っている訳でありません。子供はただ真似をして事例を覚えているに過ぎません。そして使えると思った時に使ってみるだけです。

しかし、最近では言語モデルは2006 年にThe Linguistic Review 誌で特集された事例基盤モデルに注目が集まっています。事例基盤モデルとはEBM(Exemplar-based Model) です。言語記憶は抽象化無しのエピソード的な非常に高次元の情報、つまり事例 (exemplar)の集積であると考えています。

事例基盤モデルでは言語事例に文法のようなパターンが“内在している”とは考えません。パターンは蓄積された無数の事例から“発見”されるものである、これは多くの事例がひとまず記憶されている事が前提となっております。

日本語の動詞は未然形、連用形、終止形、連体形、仮定形、命令形に変化します。我々は文法以外では、動詞の変化を一覧の表として覚える事はありません。それぞれの変化を事例として覚えているだけです。その事例を分析するとなるほど、未然形、連用形、終止形、連体形、仮定形、命令形があり、五段活用なら「あ、お、い、う、う、え、え」と変化します。事例を覚えた結果がそのような変化をするのであって、最初からその変化を学んだのではありません。

英語の場合も動詞の変化を規則動詞とか不規則動詞と言って覚えるのは正しい学習ではありません。いろいろな過去や現在の事例を学ぶ事が大事なのです。

その意味では主語の主格、所有格、目的格といって”I, my,  me”と言って覚えるのも意味がありません。それぞれの事例を覚える事で十分に言葉を間違いなく運用できるのです。

このように言語は事例基盤であり、いろいろな表現の集まりに過ぎません。多くの事例が存在しているだけです。しかし、その表現を効率的に使い、理解するために共通となるものが必要です。つまり類似のパターンです。

英語でも文法的的に正しい表現が全て使われるのではなく、主語と動詞のような組み合わせが決まっています。日本語でも「雨にふられた。」といますが文法的には正しくても「財布に落とされた。」とは言いません。使われるパターンが決まっています。

すると文法と単語で英語を作るのは非常に危険な事です。英語でも「財布に落とされた。」のように文法的に正しくても使われない英語は非常に多いのです。

日本人は英語の発音が悪いのですから、使われない英語を下手な発音で言えば理解されない事が多くなります。

英語を話すなら文法をベースに話すのではなく、言いたい事例を全体的に覚えていて使う必要があります。

事例をたくさん覚える事により、脳の編集機能によりパターンを学習できます。このパターンを適用することにより、自分の表現を作る事ができます。そのためには多くの事例を覚える事が先になります。

文法を学ぶ事が間違いとは思いませんが、文法を基本に英会話を学ぶ事は間違いだと思います。英語事例を覚える事例基盤が正しい言語習得方法だと思います。

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